創業九十年の知恵と技
今も昔も変わらぬ
こだわりの「味」
心を醸し魂を込めて醸造する
大正十年創業以来、
変わらぬものづくりへの思いをご紹介します。
大正10年創業History
大正10年創業としておりますが、記録がないので
正確なことは分かっておりません。
大正10年に蔵を購入したと登記簿に残っており、
この年を創業にしようと決めたので、
本当は100年より昔に創業しているのかもしれません。
こうやって今もなお、醤油屋を続けてこられたのは支えて下さっているお客様のお陰でございます。
先代から築いてきたこの醤油屋を存続していけるよう古きよき伝統を守りつつ常に新しきものを創造していけたらと思っております。
守り続ける伝統の木桶Tradition
垣崎醤油店の本蔵は明治初期に建てられた蔵で、創業者の垣崎哲一が
購入する前は酒蔵だという記録が残っております。
約100年という歳月が経ち見た目は古く
こんなところで醤油を作っているのかと驚かれます。
しかし、この蔵には代々受け継がれてきた酵母菌や乳酸菌など様々な種類の菌が暮らしており、この菌のおかげで垣崎醤油の味が作りだせるのです。
またこの本蔵の中には、今では珍しい醤油を熟成させる木桶がずらりと並んでおります。夏場になると、この木桶の中のもろみたちが「プツプツ」と呼吸するようになります。
蔵の中ではもろみの大合唱が聞こえてきます。
そしてこの木桶にも大事な大事な菌が住み着き、もろみを育んでいます。
創業当時から住み着いている菌たちに感謝し、心を込めて醤油作りを続けております。
生きている
約一〇〇歳の
本蔵・杉樽
本蔵・杉樽には代々受け継がれてきた
酵母菌や乳酸菌など様々なのが暮らしており、
この菌のおかげで
垣崎醤油の味が作りだせるのです。
豊かな風土
~島根県邑南町(おおなんちょう)~
垣崎醤油店は、島根県西部の自然豊かな山々に囲まれた
邑南町という小さな町にあります。
寒暖の差が大きく、澄んだ空気と水が流れるため、米や野菜、
果物などとても美味しい農産物ができます。
また、地酒や自然放牧にこだわった牛乳、石見和牛、石見ポーク、和菓子、玉子、豆腐、特産品を活かした商品など 素晴らしい食の宝庫の町です。
この恵まれた風土のおかけで美味しい素材が生まれるのです。
弊社もこのような環境で醤油作りができる喜びに感謝し
これからも大切にしていきたいと思っております。
人と人とのご縁を大切に
地域社会への繋がりを大切に
食の創造と食文化の
発展に尽くします
弊社は小さな醤油屋ではございますが
商品を通じて生産者・流通・販売・消費者など
多くの方々のお役に立ち、
喜んで頂けるように精進して参ります。
日にち・時間・人数等など限られているので
お電話にてお問い合わせください。お待ちしております。
青空教室や出前授業も行っています。
※蔵見学前は、納豆を召し上がらないようお願いします。
世界で愛される醤油屋を目指す
今日海外でも人気を集める「和食」に欠かせない
醤油や味噌などといった発酵食品。
垣崎醤油店は今後、海外市場にも力を入れ、
日本の伝統調味料がより多くの皆様に愛されるよう、
海外にもお届けしていきたいと思います。
現在では、イギリス、ドイツ、ニューヨーク、
ハワイなど各国へお届けしております。
地域社会への繋がりを大切にし、
食の創造と食文化への発展に尽くし、
皆様に愛される一企業として
今後も取り組みを続けて参ります。
こだわりの原材料material
鰹節
だし醤油やめんつゆなどのつゆ類に「鰹節」を使用しております。国産の粗削りの鰹節を使用し、だしから丁寧にとっています。芳醇な香りと味わいが広がり商品の味の決め手となるベースを仕上げます。
塩
味噌の原料である「塩」。長崎県産でとれた塩で、自然の恵みから生まれた並塩です。しっとりとしており、まろやかな塩味で味噌の味わいを引き締め雑菌から守ります。通常のお料理にもご使用いただけます。
米
味噌やあまざけ、塩糀などの要となる原料「米」。島根県産の普通に食べてもとても美味しいお米を使用しております。このお米から大切に「米糀」を育て、発酵させ商品に仕上げます。
小麦
醤油の原料となる山口県産の「小麦」。小麦を焙煎し粉砕するところからはじまり丁寧に原料処理をしていきます。小麦のたんぱく質やでんぷんで醤油の甘味や香りの元となります。
丸大豆
醤油や味噌の原料となる「丸大豆」。大豆のたんぱく質がアミノ酸に分解され醤油や味噌の旨味の元となります。醤油は主に島根県産および中四国地方産、味噌は島根県産のものを使用しております。
岩塩
醤油の原料となる「岩塩」。醤油の醸造に適している岩塩は主に海外でしか採れない為、弊社ではメキシコやオーストラリアの天日塩を使用しています。雑菌から守りゆっくりと醸造する手助けをしてくれます。
糀
「糀」は米の花と書き、主に米由来の糀を指します。蒸した米をこうじ菌で発酵させて作る米糀から味噌や塩糀、あまざけが生まれます。島根県産の米を原料に、蔵人たちの手によって大切に育てます。
麹
いい麹なしにいい醤油づくりはできないとも呼ばれるほど「麹」の出来にかかっています。炒って粉砕した小麦と蒸した丸大豆を混ぜ、麹菌をつけて寝かせます。今では麹づくりからされている醤油屋も少なくなりましたが弊社では一から醸しております。
醤油ができるまでProcess
国産丸大豆を一晩吸水させ、圧力をかけて蒸します。 (家庭で使う圧力鍋と同じ原理です。)
蒸すことで分解酵素の作用を受けやすくなり旨味成分のアミノ酸を生成しやすくなります。
小麦を焙煎することによって、分解酵素の作用を受けやすくなりブドウ糖を生成しやすくなります。
この原材料処理を一から行うことでいい麹ができ発酵も活発になり美味しい醤油となる大切な工程です。蒸した大豆と焙煎し粉砕した小麦を混合し醤油麹菌を植え付けて麹づくりをはじめます。
時間が経つにつれ麹菌が成長し、温度湿度を調整しながら約3日間かけて麹をつくります。できた麹は、塩水と共に木桶の中に入り約1年半~2年かけて乳酸菌や酵母菌など様々な菌によって発酵熟成していき醤油らしい味わいになります。
この木桶がある蔵には代々受け継がれている独自の菌が住みついているおかげで個性のある醤油ができあがります。